インバーターの用途は、省エネ効果が大きいことから、節電や新エネルギーへの関心が高まるなかで、大きな役割を果たしている。
また、インバーターのキーデバイスである半導体素子もIGBTからS-C(シリコンダイオード)の実用化への取り組みが急ピッチで進んでおり、対応製品も徐々に増えつつある。S-Cの持っている小型、低損失、高効率なパワーデバイスなどの特徴がインバーターの用途をさらに広げそうだ。
最近のインバーターは、性能の向上とともに誰でも扱える操作の簡便性や小型・軽量化、低騒音化、安全性、ネットワーク対応などが著しく進んでいる。なかでも使いやすさの向上では、周波数やパラメーター設定がジョグダイヤル式コントローラーを回すだけでできる機種が一般化し、さらにこうした複雑で面倒なパラメーター設定を制御する機器を選択するだけで自動的に設定できる製品もある。
また、配線を簡単にするための着脱式制御端子台の採用も一般的で、パラメーターバックアップ機能付きの端子台を採用した製品は、ユニット交換時に制御配線とパラメーター設定が不要になる。
制御するモータも誘導モータだけでなく、永久磁石埋め込み形同期モータ(IPM)や表面永久磁石形同期モータ(SPM)などと接続することで、さらに効率的な省エネ化につながっている。今後もモータと一体でシステム制御の取り組みが進むものと思われる。
インバーターと同様に省エネ効果の高いマトリックスコンバータの動向も注目されている。