三菱電機は、センサーソリューションに本格的に取り組み出した。シーケンサとセンサーの接続・調整を簡単にできる新コンセプト「iQSensorSolution(iQss)」の展開を今月5日から開始、ユーザーに生産設備の開発から保守までのトータルコスト削減を提供する。パートナーセンサーメーカーは第1弾のエニイワイヤを皮切りにパナソニックデバイスSUNX、コグネックス、オプテックス・エフエーと連携するほか、順次増やす計画。同社とセンサーメーカーとの新たな展開として注目される。
センサーメーカー4社と連携
シーケンサは製造ラインで使用されている各種センサーを制御するため、センサーと接続して情報を収集・調整する必要がある。しかし、生産現場では、センサーごとに設定ツールが異なるため、その都度、設定方法を覚えるなど手間がかかっていた。
また、センサーの高機能化・複雑化により開発・デバック・立ち上げ作業、段取り換え作業、メンテナンス作業に費やす時間が増える傾向にあり、製造現場からは時間短縮、トータルコストが大きな課題になっている。
同社ではこうしたユーザーのニーズを汲み上げ、シーケンサMELSECに接続したエンジニアリングソフトGX
Works2だけでセンサーの接続・調整時間を大幅に短縮する新コンセプト「iQss」を立ち上げ、展開を開始した。
この統合ソフトGX
Works2により、作業者は立ち上げ・モニター・パラメータ設定が容易になり作業負担を軽減できる。また、センサーを自動認識し、センサーの状態やエラーを一括把握することも可能である。
センサーの状態はプログラマブル表示器でも確認できるので、システム構築・監視・メンテナンスで作業者の利便性が一層高まり、生産性も向上する。
将来は、プログラミングや履歴管理、センサーパラメータバックアップ/リストアにも対応する。
同社は今後、各パートナーセンサーメーカーとの連携を強め、さらにメーカーを増やすことにより、豊富な種類のセンサーに対応する。
同社は、iQssの展開で2015年度のシーケンサと表示器の売り上げ金額を12年比130%とする計画である。
国内PLC市場で圧倒的なシェアを持ち、プログラマブル表示器でも最大手であるだけに、センサーメーカーにとってもパートナー展開は売り上げ増加に貢献するものとみられる。