オムロン、フィルム検査事業に本格参入3年間で累計60億円規模に

オムロンはこのほど、高機能フィルム向け検査装置「スーパーNASP―λ(ラムダ)」を開発、今年11月から発売を開始するとともに、高機能フィルム検査事業に本格参入し、今後3年間の累計で60億円の事業規模を目指す。

高機能フィルムは、液晶ディスプレイや二次電池、ソーラーパネルなど工業用途で採用が拡大している。これまでフィルム表面検査に関しては、高速生産ライン上での微小欠陥の検出能力向上だったが、近年では金属異物の判別や、重ねたフィルムの内層欠陥を特定するなどニーズが高度化している。

スーパーNASP―λは、同社が高機能フィルムの検査向けに開発した独自技術「Multi Wave Sensing(マルチ・ウェーブ・センシング)=多波長検査技術」を搭載した検査装置。

同社の多波長検査技術は、フィルム表面に照射する光源を赤・緑・青などの複数色で使い分け、カメラでそれぞれの波長の違いを判別する技術。従来のモノクロ検査方式では、同じに見えて判別できなかった汚れやゲル油シミなどの違いも欠陥に応じたRGB波形のパターンを基に検査する。

欠陥の種類まで高精度に判別でき、微妙な色合いの表面欠陥を安定して検出できる。

さらに、同検査技術を応用し、可視光と赤外光の波長の違いを見ることで、金属異物とそれ以外の欠陥を判別することも可能になった(特許申請中)。

ユーザー向けにモノクロカメラも用意し、2013年4月をメドに順次、高速カメラ対応のモデルを投入する。

同社では今後、光源の照射角度や光学フィルタなどを使い分け、注目したい欠陥だけを浮かび上がらせ、多層フィルムの表層欠陥と内層欠陥それぞれの判別を可能にする技術の開発にも取り組んでいく。

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