日本企業は、生産に関して、需要変動へのフレキシブル生産体制、海外生産の増加と生産システムのグローバル標準化などを課題にしていることが日本能率協会の調査で明らかになった。
日本能率協会(山口範雄会長)は、2012年度「当面する企業経営課題に関する調査」結果をまとめた。調査は今年8月に実施し、全国の上場・非上場企業548社から回答を得ている。回答企業の内訳は、製造業266社(素材系65社、組立系129社、その他72社)、非製造業278社である。
調査内容は「当面並びに中期的な経営課題」「事業構造改革、組織構造改革」「コーポレート・ガバナンス」「財務・人事領域」「組織領域」「営業・マーケティング領域」「研究・開発領域」「生産領域」についてであるが、このなかから生産、研究開発などの関連を取り上げてみる。
■現在の経営課題認識■
現在の経営課題は、「売り上げ拡大」「収益性向上」「人材強化」の3位が圧倒的に重視されている。また、昨年度調査と比較して、「グローバル化」と「財務体質強化」などが上昇している。「技術力の強化」「現場の強化」「事業再編」「ブランド価値向上」も課題認識が高まっている。(表1)
■グローバルな拠点体制■
生産拠点(製造業のみ)、研究開発拠点(同)、半ビア拠点について、現在の状況と5年後の可能性を調査。
生産拠点で3ポイント増加するのはインドネシア、ベトナム、インド、ミャンマー、中南米である。
研究開発拠点では、中国が10ポイント以上増加するのが際立っている。1ポイント以上は、インド、シンガポール、ベトナム、中南米。
販売拠点では、5年後に0.4ポイント減少する北米以外は軒並み増える。
海外進出が加速するなかで、4ポイント以上増加するのは、ベトナム、中国、インドネシア、インド、ミャンマー、タイである。(表2~4)
(つづく)