日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は11月29日、浜松町東京會館で「制御・情報システム技術セミナー」=写真=を開催。制御盤省コスト化と配電盤・制御盤の国際規格動向に対する関心が高く、会員のほか盤用機器・部材メーカーなど80人が受講した。
配電制御システム業界では価格競争力、海外規格対応力が求められている。そのため、JSIAでは、制御盤製作の省コスト化の調査研究に着手、第一ステップとして制御配線の合理化の調査研究をまとめる一方、国際規格情報を発信してきた。
こうした背景から、今年の技術セミナーは、省コスト化と国際規格をテーマに取り上げた。
セミナーでは、天野制御・情報システム委員会委員長が「制御配線の合理化」を発表した。配線の課題である(1)工数削減(2)配線品質の安定化、振動緩みトラブル防止(3)増締不要、機器交換時の誤配線防止と交換時間短縮の解決へ調査・実証の結果を報告した。コスト削減、品質向上、保守簡略化に具体的な方策を提言し注目された。また、第二ステップとして、盤筐体・機器取付・主回路配線の合理化に取り組んでいることも明らかにした。
国際規格テーマでは、リタール、オムロン、富士電機機器制御、三菱電機が筐体、PLC、過電流保護器、電磁開閉器について説明した。
国際規格IEC60204―1(機械の電気装置)と米国規格NFPA79(産業機械の電気規格)の要求内容の相違点、個別機器の規格、機械安全の動向などを熱心に聞き入っていた。