重電機器国内生産 上期、前年比7.5%増電力用が国内外とも好調汎用電気機器は減少

重電機器国内生産は、電力用機器と産業用汎用電気機器が好対照で推移している。日本電機工業会が発表した2012年度上期実績は、1兆7596億円、前年同期比7・5%増となったが、内訳では電力用機器が国内外需要とも増加したのに対し、産業用汎用電気機器は中国などアジア向け輸出が低迷し生産が減少した。下期も同様の傾向が続く見通しであり、産業用汎用電気機器に関しては先行きも厳しい見方をしている。

重電機器の今年度上期は、発電用原動機が21・6%増、回転電気機械が12・8%増、静止電気機械器具が10・7%増と今年3月の期初見通しを上回る高い伸びを示し、重電機器全体の水準を押し上げた。国内電力の安定電源確保に伴う需要増に加え、北米を中心とした輸出向けの生産が増加したためである。

堅調に推移した開閉制御装置では内需関連の閉鎖形配電装置と分電盤は2桁増加している。

回転電気機械や静止電気機械器具の中で、サーボモータ、汎用インバータ、PLC(プログラマブルコントローラ)など産業用汎用電気機器は11年度下期以降、金融引き締め政策の影響を受けた中国向けを中心にアジア市場向けの輸出が低迷し生産額が減少したという。

景気の影響を受けやすく、グローバル市場で展開しているため輸出比率が高いことにもよる。

下期の国内生産については、発電用原動機や発電機など電力用機器は国内向け受注残があり、輸出向けも北米の景気回復に伴い、堅調に推移する見込み。一方、産業用汎用電気機器はアジア市場の低迷などの景気動向の影響を受けて輸出の減少が続くとしている。その結果、重電機器全体では横ばいで推移する。

工業会では、国内市場は新規建設や更新需要で堅調に推移し、海外市場も発展途上国を中心にエネルギー需要が旺盛であり市場の拡大が見込めるなかで、地域全体・需給システム全体での最適エネルギー管理・運用ビジネスの拡大、グローバル展開のなかでのインフラ・システム輸出の競争力強化と面的拡大などに取り組んでいく。

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