日本電機工業会(JEMA)の大坪文雄会長は上期の電気機器業績発表の席上、高い技術力を製品に転嫁してグローバル市場で競争するとし、反日感情が高くなった中国に対しても市場を取り込んでいくなど大要次の通り語った。
「電力値上げに対しては、石油、火力中心で原発を補うためで理解できるが、電気はインフラの重要な部分であり、我々のコスト競争力に影響を与える。安定・高品質で低価格の電気を供給してほしい。原発は中長期の経済、産業政策と一体で考える必要がある。安全を検証したうえで再稼働することが必要である。
中国市場では、尖閣諸島問題の影響はある。中国は貿易、販売、生産で不可分の状況にあるので、不安要因にならないよう配慮してほしい。中国は中間所得層へ移行する人口がまだあり、我々は中国市場を取り込んでいく。
最近の為替についても、日本で作り輸出するからには、80円を超えただけでは円安とはいえない。今後も注目していく。金融緩和も重要であるが、中長期的戦略を決め、我々が支援することで国力を維持できると考える。
海外製品の流入には、グローバル化が進み海外メーカーが入ってくるのは覚悟している。国内市場を理解し、先進的な製品を開拓していく。相手国にも出ていく。自国を守るだけでなく、負けない技術力を製品に転嫁して進出する」。