CLPAのパートナー会員数は12年11月現在で1756社と順調に社数を増やしており、12年度末には1800社を超える勢いを見せている。このうち中国、韓国、台湾、欧州、北米など海外でのパートナー会員数が1161社と全体の約66%を占めており、特にアジア地域では産業用オープンネットワークとしては、約40%のトップシェアを有している。またパートナーによる対応製品数も1271機種(12年11月現在)に達しており、パートナー会員(ベンダー)におけるビジネスチャンスと、ユーザーにおける製品選択肢が拡大・向上している。
特に中国では「GatewaytoChina」のスローガンを掲げてCC―Linkの普及に重点を置いた強力なプロモーション支援活動を展開している。中国は自動車、FPD(フラットパネルディスプレイ)などの工場の建設が継続していることに加え、ものづくりの質的変化も起こってきている。工場では、産業用ネットワークを利用した高度な自動化投資が今後本格的に見込まれ、フィールドネットワークの普及も期待できる。
中国企業が初の幹事会社に
その一環として、CLPAでは、中核となって運営活動を行う幹事企業に今年9月、初めての海外企業として中国の「上海電気菱電節能控制技術有限公司」(SERT)を加えた。SERTは、中国での省エネシステムやFAシステムの設計・開発を手がけており、CC―Linkを活用した生産現場の省エネシステムや生産効率化システム構築の実績も多いことから、中国でのCC―Link普及に弾みがつくものと期待されている。
インドに7つ目の支部開設
またCLPAでは、今年10月に7つ目の支部としてインドに「CLPA―India」を開設した。インドは新興国のひとつとして急速な経済発展を続けており、製造業のインド進出も相次いでいる。この拠点開設により、インドでのCC―Link普及に向けたプロモーション活発化させて、さらなるCC―Link製品の拡販と開発を支援していく計画だ。
CC―Linkは、日本だけでなくアジア、北米、欧州などで国際・国家規格として認められている。国際標準としては01年にSEMI E54.12、06年にISO15745、07年にIEC61158/61784、10年にはCC―Link SafetyがIEC61784―3―8を取得している。
各国の規格としては、05年に中国国家規格GB/Z、08年に韓国国家規格KS、09年に中国国家規格GB/Tおよび台湾規格CNSをそれぞれ取得している。
海外製品カタログも
さらに、今後も日本工業規格(JIS)化やCC―LinkSafetyの中国国家規格(GB/Z)化なども進めていく。同時に、CC―Linkパートナー製品カタログも、日本語に加え、中国版、インド版、韓国版なども制作し、海外展開しているユーザー、パートナーの支援を行っている。
CLPAでは、制御データと管理データが混在・増大する今後の製造システムに対応するため、Ethernetベースの超高速・インテリジェントな産業用ネットワーク「CC―Link IE」の普及に注力している。「CC―Link IE」は、「Control」、「Field」などで構成されている。
システムをシンプルに構築
1Gbpsの高速伝送などによるシームレス通信で、従来のコントローラネットワークの役割であった制御情報伝送と、機器情報保守/保全/デバイス設定などの情報処理データ伝送の両立を実現しており、TCO(TotalCostofOwnership)削減に大きく貢献する。
さらに、Ethernet技術の進化に合わせたシステムの高度化、機能アップが可能で、モーション機能および安全通信機能の統合により、システム全体をシンプルに構築できる。
CLPAでは、「CC―Link」「CC―Link IE」に、新たに「エネルギー管理通信機能」を規格化し追加した。工場の生産現場で消費する電力量を、機器や装置レベルで収集管理可能にする機能である。