今年7月から中大規模太陽光発電システムの固定価格買い取り制度が施行されメガソーラー市場が活況の中で、パワーコンディショナとキュービクル一体型が今後普及するものと予測されている。パワーコンディショナ収納箱が建築物とみなされなくなったため、省施工・省スペースが実現するキュービクルとの一体型が注目を集めているもので、キュービクルメーカーやパワーコンディショナメーカーは受注強化に乗り出している。キュービクルは、6600Vを200Vや100Vに変圧する受電設備として工場、ビル、商業施設、公共施設などに普及している。
再生可能エネルギーが脚光を浴び、メガソーラーの建設が全国規模で実施され始めているが、50kW以上の中大規模太陽光発電設備は高圧電力として電力会社との連系のため、既設キュービクルとは別に昇圧変圧器を搭載したキュービクルの設置が必要である。
そのため、メガソーラーの普及に合わせ、商用電源と系統連系を行う太陽光発電向け系統連系型キュービクルが各社から発売されている。
メガソーラーは、今年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が施行され、普及に弾みがついた。地方自治体が参加するなどメガソーラーの候補地は全国で約400カ所に急増している。
中大規模太陽光発電など自然エネルギーの普及を目的に、自然エネルギー協議会が昨年7月に設立されたが、4月時点で36道府県が参加、民間企業も206社が準会員に登録しており、官民挙げて普及活動に取り組み出している。
自然エネルギーの中核であるメガソーラーは、系統連系型キュービクルの増設、直流を交流に変換するパワーコンディショナの設置が必要であるが、これまでは別置きのため基礎・架台施工、配線工事などコスト増加要因となり、設置スペースの確保も課題であった。
こうした状況下で、国土交通省は「パワーコンディショナを収納する専用コンテナに係る建築基準法の取り扱いについて」(技術助言)を都道府県建築行政主務部長宛てに通知した。建築物に該当しないというもので、キュービクルとの一体型による設置が可能になり、コスト、スペースの問題が解消した。
これを受けて、キュービクルメーカーは一斉に、固定価格買取制度対応のキュービクルとパワーコンディショナ収納箱を一体化した製品の販売に乗り出している。パワーコンディショナメーカーも、キュービクルメーカーとの共同でキュービクル一体型パワーコンディショナシステムとして発売を始めている。
パワーコンディショナとキュービクル一体型は中大規模太陽光発電の普及とともに、今後さらに活況を呈するものと思われる。