PLC(プログラマブル・コントローラ)市場は、自動車製造やIT関連機器の増産に対応した投資で2011年までは上昇基調で拡大してきたが、12年は中国、欧州市場の停滞の影響を大きく受けて、大きな落ち込みになっている。日本電機工業会(JEMA)の12年度上期は前年同期比約72%とマイナスとなっており、下期もこの状況で推移しそうだ。
13年度については、米国市場の力強さ、中国金融緩和、タイ、インドといったアジアの新興国、それにブラジルの社会インフラ投資などが活発化するという期待が高まっており、プラスに転じるものと予想される。
PLCは、高速処理化と小型化、高機能化傾向が著しく進展している。同時に需要裾野の広がりからパソコンとの併用や、制御資産の継続的活用などから、プログラミング言語がシーケンス用言語であるラダーのほかに、IEC61131―3に基づいた国際標準に対応した言語が本格的な普及を迎えるものと思われる。
また、機器組み込み用途も今後、大きく広がりそうだ。工場の生産ライン制御などだけでなく、工場の外、たとえば新エネルギー関連機器の制御、ビル設備の最適制御といった用途でもさらに採用が増えることが期待され、市場は新たな展開期に入ることが予想される。
機械安全ニーズに応えてセーフティPLCも、今後は新興国での安全対策が進むことで需要が増加しそうだ。
ソフトPLCも一定の市場を形成しつつあり、今後ハードとソフトで制御対象ごとに使い分けが行われそうだ。