昨年の景気は、海外では米国景気が持ち直しつつあったものの欧州は金融債務問題が長引き、その影響を受けた中国、新興国の経済成長が鈍化した。国内は円高推移、製造業の海外生産シフトの加速など我が国にとってあまり良い材料がなかった。
当社においては、親会社である日本たばこ産業(株)が昨年4月からの新中期経営計画で製造工程に関して非常にインパクトのある設備投資を行っており、これに伴い生産設備ならびに付随するコンピュータシステム等を一新した最先端設備を導入してきた。非常に大規模な工事であり、当社は全社を挙げてこの案件対応に取り組み忙しい状態が続いている。
ところで、当社は昨年10月に、建築・エンジニアリング・システムインテグレーションの各事業部門の営業機能を統合化した営業部を設置し、民間の売り上げ比率を本格的に高める準備を始めた。
今年の景気は楽観視できないが、親会社の仕事と並行して一層の民間市場開拓に向けた種まきを行う重要な1年になると考えている。忙しさの中ではあるが期待も大きい。まず新年早々にパッケージソフトを発売する。これは食品業界に特化したトレーサビリティシステム構築のためのパッケージで、単なる履歴管理のみではなく原材料の消費期限管理などにも対応した様々なトレーサビリティに応えられるパッケージである。将来的にはこれを手始めに食品のみでなく他の業種へも用途を広げていきたい。
昨今、製造拠点のグローバル化により既存ユーザーの海外進出の機会が増加しているが、それに伴い当社への引合い・相談も増えている。
多言語化対応した製品もラインナップしているが、今後更なる充実化を図るとともにこれまでのノウハウ・経験を生かし、日本のモノづくりに一層の貢献を果たせるようこれまで以上に積極的に取り組んでいきたい。