国内は大震災以降の復興の遅れ、海外では中国、欧州市場の低迷など、昨年のわれわれを取り巻く経済環境は非常に厳しい一年であった。
こうした中にあって、当社の売り上げも通信や盤用向けは前年同期比ほぼフラットな状況で推移しているが、原発事故発生に伴う原発の稼働先送りによって、電力向けの特殊品の受注が低迷していることが影響して、全体としては減少基調となっている。
今年の景気も昨年同様、大きく好転するのは難しいと見ており、引き続き厳しい感じがしている。
社会インフラ整備に伴う新設・メンテナンスや、ビル設備などのリニューアル需要、震災復興需要などは今年期待できると思うが、欧州、中国の景気動向は依然不透明な部分も多い。
当社としては、景気が今までと違ってあまり良くならないことを前提に今年一年、社内の気を引き締めて取り組んでいく。社内の若返りも図りながら、企業活力が発揮できるようにしていきたい。
一昨年に新製品として省エネ・省電力設計のデジタル表示器、入出力フリータイプの省配線ターミナル、定格絶縁電圧600Vのスタッド端子台を発売したが、まだ市場への浸透が十分とは言えないので、引き続き拡販を進めていく。いずれも省エネ、省工数といった産業界のニーズに対応した製品であることから、市場から評価されるものと確信している。今後も、社会全体で推進している省エネやエネルギーの効率活用に対応した製品開発も進めていく計画を持っており、LEDやDC(直流)関連をテーマに取り組みを強めていく。
市場のグローバル化で、アジア地域も内需市場と捉えるような視点が求められる時代に変わってきている。この変化に対応できる製品と営業展開が推進できるように、今年は全力を挙げて取り組みたい。