富士電機は、世界的な省エネニーズが高まるなかで、インバータで積極策に出た。空調用に特化した初のスリム形インバータFRENIC―HVAC、10年振りにフルモデルチェンジしたコンパクト形インバータFRENIC―Miniシリーズ=写真=を発売、国内外市場で攻勢をかける。省エネソリューションビジネスとして、コンポだけでなくサーボモータなどとのセット販売にも注力する。
同社の小形インバータはシェアが高いが、グローバル市場では一段と価格競争が激しさを増している。そのため戦略商品としてFRENIC―Miniをフルモデルチェンジ、高性能化と価格対応力を高めた新シリーズを昨年12月に発売し3月にかけ順次追加する。国内、海外仕様がそろう。
新シリーズは、従来機能に加え上位機種と同等の高度な制御性能を実現しており、ファン・ポンプなどのほかコンベアシステム、搬送台車、遠心分離機、食品機械などに用途拡大が可能になった。価格も定価で10%引き下げた。今後、グローバル製品の位置付けで日本、アジア、中国などに販売する。
一方、空調用途のスリム形インバータFRENIC―HVACは、欧州、アジア向けのあと、国内仕様を発売。スリムなボディーながら周辺機器を内蔵したIP55保護構造である。単体で設置でき、制御盤が不要になることから小額投資で省エネを実現可能。鉄鋼プラントなどで好評である。