2012年12月期の売り上げは前年度比横ばいで終わった。昨年前半は好調に推移したが、9月以降は思うような伸びにならなかった。円高などもあり、中国、タイ、インドネシアなどのアジア地域で現地調達する顧客の増加に影響されている。外資メーカーとして輸入販売の点では円高も良いが、輸出販売する顧客も多いことから、総じて円安のほうが助かることが多い。いずれにしても為替に左右されにくい企業体質でビジネスを展開していきたい。
13年12月期も前年度比横ばいの売り上げ計画でスタートしている。今年前半はこの調子が続き、後半から回復基調に入ると見ている。
08年に米・イートン社グループに加わり、ブランドも「Eaton」に11年から統一した。
米・イートン社では昨年11月30日付で、米・クーパー・インダストリーズ社の買収統合を完了した。クーパーは防爆電気機器、送・配電機器など電気電子機器の大手メーカーで、今後は日本市場でも当社と連携した営業展開が予想され、ネットワークシステムの統合も今年度中に予定されている。
今年はイートン、ムーラー、クーパーの3社でのシナジー効果を見極める年にしたい。
イートングループ内には、まだまだ市場に紹介していない商品が多数ある。昨年は風力発電向けに中圧開閉器や配電盤などの受注があったが、今後は電気設備のメンテナンス需要が出てくるものと見ている。また、新エネルギー発電関係で、交流開閉ながら直流電流の検知もできる漏電ブレーカーも引き合いがある。
市場での販売競争は激烈なものがあるが、こうした激戦地での戦いはできるだけ避けて、特殊な商品と業界で使用されるものに着目しながら、利益を確保できる営業活動を展開していく。そのために、直接・間接要員を増強し、戦力アップを図っている。