世界各国の経済が連動し、政治で大きく変わる世の中では、昨年、今年といった区切りで景気を予測することができなくなっている。日本は30年の停滞期に入り込む可能性がある一方で、災害などで新たな産業が興るなど変化が出てくることも考えられる。デフレ経済の中で大震災、原発事故が発生した日本は物量の拡大投資でなく、生きていくうえで必要なシステム投資、新産業が出てくる。
それは、公共・社会インフラ、省エネ、新エネルギー投資であり、関連産業である。インフラに近い領域にある配電制御システム業界にとって好ましいが、不確実性もある。
変化の世の中で言えることは、企業は経営の基本を追求することである。当社は、製造業の基本である技術経営、品質経営を高めていく。
技術経営面では、開発技術、生産技術に投資する。長年培ってきたソフトウェアとハードウェアの融合を図り、お客様のニーズに対応していく。さらに、ネットワーク技術と制御技術、パワーエレクトロニクス技術を進化させる。生産技術は3DCADによる効率化などでコスト競争力を強め、東南アジア対応、外国人労働化の対応も行う。
品質経営では、QC、ISO、バーコードスキャナーによるトレーサビリティに取り組んでいる。昨年は数ミリの部品を微細はんだ付けする技能のマイクロソルダリングインストラクタ資格を取得したほか、ISO9001:2008認証を取得した。お客様の要請に応えるための投資である。また、仕事の規模拡大に伴うリスク管理面から財務強化も図る。
こうした事業展開により、2013年9月期も前々期からの黒字計上を続けていきたい。今9月期は第1四半期を終えたばかりであるが、半年分をカバーできる公共インフラ関連の受注が入っており、計画達成に一丸となって頑張っていきたい。