昨年は、世の中が混沌とした1年であった。1国の経済が世界中に影響を及ぼす現在は、予測困難な時代である。
こうした中で、当社は昨年11月期(59期)からスタートした3カ年経営計画の1年目を無事終了できた。国内のGDPのマイナス成長の影響による受注の減少などで、期の途中で当期目標の一部軌道修正を余儀なくされたが、経営計画に関わる重要案件のスキームは大筋で目標を達成することができた。
今年は、政権交代によるデフレ脱出対策が加速すれば、景気回復に一段と弾みがつくと思える。しかし、時間軸から考えると、現況から当分の間は企業間に劇的な景気回復が見込めない。このような見通しであるが、自社の実力をわきまえた経営を着実に実行して今期目標を達成していきたい。
3カ年経営計画の2年目となる今11月期(60期)は、基本的には前11月期を上回る業績を目指した実現可能な具体的な品質および環境目標を設定し、リアルタイムで変化する企業環境を横にらみしつつ、これを確実に実行して目標を達成することを目指す。
今11月期の具体的な目標は(1)中小企業ならではの隅々まで小回りの利くスピードあるPDCAの更なる構築に取り組む(2)各部門は周辺業務の中でマンネリ化している様々なムダを抽出し排除する(3)顧客の要求事項に密着したサービスを展開し、さらなる顧客満足の向上を図るである。
また、人材育成にも取り組む。製品の信頼性向上をより一層進めることに加え、顧客から信頼される企業に不可欠な社員一人一人の人格向上のための教育訓練を積極的に行う。
海外生産は考えていない。当社のモットーである「メイドインジャパン」は将来に向けての基盤であり、コストダウンを含め国内生産性向上のメリット抽出に努め、製品を通して顧客に安心・安全を提供する。