今年は、「自律」の精神で臨んでいきたい。自社の技術をより積極的にPRする方針で、自動車関連については、燃料回りの制御技術を中心に、乗用車分野に加え、建設機械や農業機械など特殊車両方面にも積極的に拡販を行っていく。新規市場開拓は時間がかかるかもしれないが、市場調査を兼ねて計画的に進めていく。
当社の主力製品であるフロートやレベルスイッチが関わる自動車関連向けは、海外を中心に堅調な動きを見せている。当社は自動車関連向けの製品技術に関しては大きな自信と素地を持っており、自社の得意分野をしっかりとPRしていきたい。
当社は、高品質の製品を顧客が求めやすい価格で提供できる能力を持っているが、PRやプレゼンテーションが思うようにできていない部分もある。例えば、自動車産業のピラミッド構造からすると、当社は下請けのパーツメーカーという感じだが、これをより上の階層に引き上げていく姿勢が大事だろう。数年かかるかも知れないが、こうした姿勢を実行していかなければならない。
一方、輸出販売に関しては、日系企業ルートと純粋な海外企業ルートがあり、円とドル、ユーロ建てで決済を行っている。日系企業は円で取引を行っており問題はないが、海外企業向けはドル/ユーロ建てとなり、円高の影響が非常に大きい。海外の顧客に対しては、価格見直しの交渉を行っているが、今後は、円建てを中心とした展開にしていく必要があるだろう。
生産面については、品質が高くコストさえ合えば、アフターサービスがしやすい国内で生産するのが一番良いと考えている。
今年は、昨年よりは状況が好転するかもしれないが、目先に振り回されることなく現状を把握し、的確な判断を行う必要があるだろう。今後も、企業努力を怠ることなく、円高を乗り越え、しっかりと将来を見て経営を行っていきたい。