今年は、中期計画「大河」の最終年度で、大河の最大テーマである「新分野への注力」の具体的成果を出す時期である。来年の50周年に向け、新製品を大きな事業にしていきたい。
前年は、新製品の開発に注力することができ、期待する新製品の汎用インバータ用直流リアクトルについては、交流タイプとともにシリーズ化させるところまできた。
このリアクトルは、入力力率を改善するとともに高調波電流を阻止し、コンデンサの焼損を防止するもので、直流電源に直列に接続し電流の脈動を平滑化させる機能がある。すでに一昨年にインバータ用交流リアクトルを販売しており、今後は交流タイプ・直流タイプともシリーズ化し、積極的に展開していく。
また、高周波リアクトルは、ソーラー発電の変圧に必要で、当社のリアクトルは小型で損失が少なく、ロスが小さいという特徴がある。ソーラー以外でもパワー半導体向けなどに応用できるので、積極的な対応を行っていきたい。
非接触給電システムについては、核となる基板とコイルのソフトウェアが完成し、年明けから「次世代の変圧器」として本格的に販売を行う方針で、第1弾として「非接触給電によるDC―DCコンバータ」を発売する。
20センチくらいの厚みなら、コンクリートや水など、金属以外なら給電が可能で、コンベアでの給電など様々な用途が期待できる。このほかにも、直流電源装置やバッテリ・チャージャーなどのハードウェアを組み合わせることで、無人給電システムやUPS(無停電電源装置)、インバータなど、様々な用途として応用することが可能である。
一昨年の原発事故以来、「省エネ・蓄エネ・創エネ」をテーマに、電源を取り巻く環境は大きく変化している。当社は電源に関わる専門メーカーとして、技術の底力を発揮し大河を充実させていきたい。