昨年は、産業界には決して良くない混沌とした1年であった。海外ではEUが金融危機から抜け出せずに中国やアジアの新興国に経済成長鈍化という影響を与えた。国内では円高が推移し製造業の輸出が減少する中で、電力供給の制約が続いている。尖閣諸島問題も発生した。製造業は先行きを警戒し、設備投資も低調に終始している。
今年は、新政権がデフレ脱出へ金融緩和を推し進め公共投資を増やすので、昨年よりは景気が徐々に良くなると期待している。
こうした状況の中で、当社は昨年7月期売り上げが堅調であった。
今年7月期の売り上げは、目標を前期比で10%増加に設定し取り組んでいるが、昨年8月以降は10%増加のペースで推移しており達成できる。
アミューズメント向けは落ち着いた動きであるが、大手電機メーカーなど他の取引先からの注文が増えてきている。取引先が特定の業種に偏らず平らになってきており、足腰が強くなっている。製品では、主力のソレノイドが順調なほか、オートロックブレーカーも新たなOEM供給を開始した。
また、今年7月期は、売り上げ増加と並行して原価率の引き下げにも取り組んでいきたい。
現在、ソレノイドや応用製品などは中国大連市にある信明電機(大連)有限公司で製造しているが、これまでは日本への輸出が主体であった。しかし、最近は、中国の日系企業向け販売が増えている。
当社の中国工場はローカルに近い日系企業なので、尖閣諸島に端を発した反日の影響も受けないで済み、お客様にご迷惑をかけないで納入できている。中国生産を開始して10年、新工場を建設して4年になるが、品質に対しても高い評価を頂いている。
今後は、大連工場だけでなく上海市などでの生産を考えていきたい。