2012年後半に入ってリチウムイオン蓄電池のビジネスも実案件が出始めており、お陰様で電池部門の売り上げは増加している。また13年は用途開発も一段落して、量産化が始まり売り上げも順調に増加する見通しとなってきた。
10年に電気自動車(EV・HEV)で本格的なリチウムイオン蓄電池採用の発表を受け、各社がビジネスに参入したが、リチウムイオン蓄電池は鉛蓄電池と違い、組電池であり、BMS(バッテリー・マネージメント・システム)との組み合わせの最適化が難しいのが実情。そのために2年目にして挫折した会社が多く出ている。そのほとんどの会社が、安い電池を中国、韓国から輸入し、自社製のBMSとの組み合わせとなっている。現在、中国には電池メーカーが約1000社あり、その中から最適なパートナーを探すのは至難の技と言える。
こうして中で、リチウムイオン蓄電池ビジネスの第1段階は終わり、今年からは第2段階に入る。業界で生き残る条件は、(1)高品質(2)低価格(3)安全性の高い製品を製造することが最も重要となる。また、蓄電池とBMSを組み合わせて保証するメーカーが受け入れられる。
当社は、鉄系正極材生産量世界一の台湾CAECジャパン社開設準備会社として、日本市場でのアプリケーション用途開発に力を入れている。昨年FA業界向けではAGVの駆動電源、エレベータの回生エネルギー、公共交通機関の停電時のバックアップ電源、定点型放射能測定装置の蓄電池などで採用された。
今年リリース予定のFA業界用UPSは、耐環境性に優れたプラス20℃~プラス60℃での稼働が可能で、既に数社からの引き合いも頂いている。
電力を蓄えることが可能な電池、特に充放電が可能である二次電池の開発と展開は、日本企業が海外競争力をつけるための重要なテーマになると思う。