新年あけましておめでとうございます。2013年の年頭にあたって一言ご挨拶申し上げます。
私たちを取り巻く経済状況は、一昨年の東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故の影響から完全に抜け出したとは言えないまでも、復興に向けてその一歩を踏み出したと言っていいのではないでしょうか。
欧州の経済不安、中国経済成長の減速、米国の財政危機などの課題は未だに根本的な解決には至らず、国内では、政治の腰が定まることを長らく期待している状況ではありますが、その中にあって我々としては事業の健全な成長に向けて努力を継続するのみと感じております。
当工業会の統計を見ると、11年度の海外を含む総販売高は約9128億円で、対前年比114%と大きく改善しました。また、12年度上半期の国内販売高も3685億円で、回復した前年同期と比較してもさらに成長しており、今年通期では久方ぶりに1兆円の大台を回復できるかと期待しております。しかしながら、日本を取り巻く状況をみれば手放しでは喜べないのは明らかで、当工業会の各会員企業にとっても、経営の舵取りに世界の動きを注視して、一層のチャレンジが必要であることは変わりません。
このような状況下で、昨年10月31日から開催された「計測展2012 OSAKA」は、サブテーマを「スマートソサエティの実現に向けて」として焦点を絞って企画したことも好評を博し、出展者は61社で小間数は144小間と、前回の10年と比較して40%近く拡大し、出展者の技術セミナーも65件と前回の5倍を数えるなど大きく成長しました。来場者総数も1万379人で、出展者を除く正味の来場者は約7000人と、盛況だった10年を50%近く上回って、大阪の計測展としては過去最高を記録し、来場者、出展者双方から高い評価をいただきました。
本年の計測展は東京開催で、11月6日から東京ビッグサイトにおいて「システムコントロールフェア2013」と同時期に同じ場所で開催されます。計測と制御を併せた「ものづくりの総合展」とすべく、共同企画のイベントやテーマ展示の内容などを鋭意検討中ですのでぜひご期待下さい。
当工業会の会員企業の製品である「電気計測器」は、あらゆる工業分野の事業活動を支える「マザーツール」であると同時に、近年大きな課題となっている「安全で持続可能な成長をもたらす社会」の構築に必要な計測、通信、制御の各分野に大きく貢献する技術としてクローズアップされています。
これからも、会員企業各位が視野を世界に広げて新製品、新技術の開発に邁進し、我が国の製造業の競争力向上に貢献するためのサポートに徹し、ひいては我が国における持続可能な成長を実現する社会システムの構築にも寄与すべく、活動を推進していく所存です。
本年も、昨年同様に関係各位のご支援とご理解をお願い申し上げ、13年年頭の挨拶とさせていただきます。