アズビルは、ライフオートメーション(LA)事業の拡大に向けて、今月から「ライフサイエンスエンジニアリング(LSE)事業」を新たに立ち上げるため、昨年11月に資本参加を決めていたスペイン・テルスター社(トン・カペラ社長)株式の80%を、創業家のカペラ家から取得を完了した。
同社ではこれにより、アドバンスオートメーション(AA)事業、ビルディングオートメーション(BA)事業とLA事業を組み合わせた成長モデルを確立し、事業の拡大と効率を高める。
テルスターは、医薬品を中心とした製造プロセスに関する技術・ノウハウを保有し、製剤工程で使われる凍結乾燥装置をはじめ、滅菌装置、製薬用水製造および蒸気発生装置、クリーンルーム用装置などを提供している。
創業は1963年で従業員数は971人。11年度の売上高は1億800万ユーロ(約124億円)。スペインを含めた西欧諸国・東欧・中南米・北米の計17カ国に拠点を置いて、グローバルに事業を展開している。
また、装置だけではなくコンサルティング、エンジニアリング、建設に関するサービスも提供しており、製剤工場、研究所、病院などのクリーンルーム関連のワンストップソリューションカンパニーを目指している。
アズビルはLSE事業の展開では、グローバルなサポートと、ライフサイエンス領域での装置、プロセス、局所環境に関する知識・パートナーが必要だとしてテルスターを子会社化、テルスターの持つ製造プロセスのノウハウと、azbilグループのオートメーション技術の融合によって、新しいソリューションを提供していく。
アズビルは1日付で、ライフサイエンスエンジニアリング事業推進室(風戸裕彦執行役員室長)を数名規模で設置し、今後AAとBA事業との協業を推進することにより、17年には200億円規模の事業を目指していく。
アズビルの曽禰寛純社長は「ライフサイエンスエンジニアリング市場は、オートメーション技術に着想を得た次世代製造装置と環境システムの統合ソリューションが求められており、当社のAAとBAの技術が生かせる」と今後への期待を語っている。