大江電機とテルヤ電機が経営統合 150億円企業が誕生 来年5月持株式会社設立で合意

制御機器・電設資材商社の大江電機(横浜市南区前里町1―9、tel045―241―3711、大江光正社長)とテルヤ電機(東京都世田谷区大蔵6―17―2、TEL03―3415―6111、江川和宏社長)は、来年5月1日に持株会社を設立し経営統合することで合意した。17日、取引先に説明する。持株会社により、成熟する制御、電材市場のシェア獲得や新規事業に対し戦略的な事業展開をめざすものと見られる。売上高150億円のグループ企業誕生は今後、流通業界の再編を加速しそうである。
両社は単独で100億円企業を目標にしてきた。制御市場は為替変動や設備投資に左右され売り上げの上下動が大きいのに対し、電材市場は安定しており電材部門の強化にも取り組んできた。

しかし、軸足を置く制御、電材市場は長期的に縮小傾向をたどり、需要構造も急速に変化することが予想される中で、流通業界では二極化が進んでいる。

こうした状況の中で、規模の拡大と経営基盤の強化を目指す両社は商取引や歴代の経営者同士が交流してきた経緯から、100億円企業へ経営統合が近道でその後の利点も大きいと判断し合意に達したものと見られる。

両社は、新規事業の立ち上げや他社のグループ化など戦略的な事業展開がし易い持株会社形式を採用する。現在、両社の前期売上合計額は146億3600万円である。制御部門は120億円前後、電材部門は30億円前後と推測される。

制御流通業界は売上高100億円が大手商社の目安とされており、持株会社は企業規模を利した営業戦略で市場シェアを高める。一方、電材では仕入業務で利点が増すため顧客開拓をより一層図っていく。

当面は、両社を存続させ協調で成長を図るものと予想されるが、将来的には制御、電材の専門会社への分割や新規事業会社設立、株式上場なども視野に入れつつ組織改革を行う可能性もある。

制御流通業界では現在、市場の激変と世代交代期にあることから事業存続と継承へ資本提携などが行われているが、吸収合併や営業権取得が主であった。今回、資本提携に関し、初めて持株会社形式が採用されるが、その成り行き次第では、再編の動きが加速されそうである。
【両社の概要】

大江電機は1947年創業。神奈川県下を地盤に展開しつつ岩手、静岡、熊本に営業拠点を設け営業エリアを拡大する一方、エンジニアリング会社テクノエナジーを設立し生産現場のソリューション事業にも乗り出している。また、中国、韓国に拠点を設置しグローバル化に対応している。

テルヤ電機は1924年創業。東京、神奈川、埼玉に11カ所の営業拠点を設置し首都圏市場を深耕している。資格取得した社員が顧客を対象に電気工事士、シーケンス制御作業技能士研修を行うなど地域・顧客密着型を展開しており、顧客数が多い。

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