日立製作所のインドのグループ会社、日立ハイレルは、新工場をサナンド―II工業団地内(グジャラート州アーメダバード行政区)に設置し、稼働を開始した=写真。新工場は敷地面積2万8000平方メートル。投資額は6億インドルピー。新工場稼働により、既存のガンジナガール工場と合わせ、発電や鉄鋼、化学などのプラント向け産業用電機品の生産がさらに強化できる。
今回、稼働したサナンド工場では、高圧インバーターや大容量UPS(無停電電源装置)などの産業用電機製品を生産する。日立の日本国内で培った製造ノウハウを取り入れ、高品質でコスト競争力のある製品の提供が可能になる。
既存のガンジナガール工場では、産業用UPSやバッテリー充電装置、鉄道用インバーター装置などの生産をしており、さらに今年10月からは再生可能エネルギー分野に対応して、系統連系型太陽光発電設備用インバーターを生産ラインナップに加えている。
インドは、急速な経済成長に伴い、多くの発電所や製鉄所、石油化学プラントなど大規模プラントが建設されており、さらに低炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーへの大規模投資も予定され、今後も大規模プラントの安定稼働や省電力化に必要な高圧インバータードライブシステム、UPS、発電向けのパワーコンディショナーなど産業用電機製品の需要拡大が見込まれている。
日立ハイレルは、80年代以降、製油や石油化学、発電、鉄鋼、金属など幅広い分野における非常用電源や電力品質安定化ソリューションなどの事業をインド国内で展開してきたハイレルエレクトロニクス社を、昨年10月に日立が子会社にして商号変更したもの。
日立ハイレルでは、今回の新工場稼働による生産能力の増強で、インド国内での売り上げ規模拡大と、社会インフラシステムの潜在的なマーケットとして期待される中東や東南アジア、アフリカ地域およびその他の地域への輸出も視野に入れており、2015年度には売上高80億インドルピー(約120億円)達成を目指している。