謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
電設業界は、協会活動を通じて、自然災害に対する安全対策の一層の強化を図りつつ、電力の供給事情の変化や節電ニーズに的確に対応し、現場で役立つ電設技術を提供するとともに、省エネルギー対策の強化と再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組み、中長期的課題である低炭素社会の実現にも貢献していくとともに、次の課題の克服に向けた活動を展開して参ります。
第一に、優秀な人材の継続的な確保と技術・技能の的確な継承を行っていくため、若者が夢と生きがいを持って活躍できるよう、能力維持・向上のための継続能力開発(CPD)に積極的に取り組むとともに、社会保険の加入促進や登録電気工事基幹技能者の処遇改善をはじめとする就労環境の改善に努め、電設業界の魅力を高めていきます。また、中小企業会員が実施するインターンシップを業界全体で支援するために創設した助成金制度等を活用し、優秀な人材を確保することを目指します。
第二に、厳しい経営環境の中で適正な利益を確保しつつ品質の高い電気設備を供給するため、適正な価格・適正な工期での受注を確保し、健全で公正な競争市場の構築を進めることが必要です。無理な工程による品質管理・安全面への影響が問題となっており、当協会で取りまとめた「自家用工作物の設置及び受電時期設定の手引」を活用し、関係機関と連携し、適正な受電時期の確保に向けた取り組みを強化します。
第三に、顧客との直接対話を通じて電気設備工事の品質確保、技術革新への対応やライフサイクルコストの低減に的確に対応でき、また、品質とコストとの関係が透明かつ明確な「分離発注方式」の採用を強く訴えていきます。
一方、国におかれましては、国民生活の安全と安心を支える社会資本整備の着実な推進を図るとともに、電力の安定供給の確保に向け、原発の再稼働問題、電力システム改革を始めとするエネルギー政策の基本的方向について、腰を据えた議論を展開し方向性を定めていただくことを切にお願いするものです。
このように、電設業界は多くの課題を抱えておりますが、当協会員が一丸となって困難に立ち向かい、また、関係機関・団体とも手を携え、会員の皆様に役立つ協会活動を展開していきます。