当社がかかわる電力業界、配電制御機器業界は、昨年から大きな変革の波に直面しており、当社としても時代の波に乗り遅れることなく、市場のニーズに的確に対応する体制を採っていきたい。
電力業界の動きでは、新電力関係の対応が課題となるだろう。新電力は、既存の大手電力会社とは別の特定規模電気事業者(PPS)が行う電気事業で、契約電力が50kW以上の需要家に対し、一般電気事業者の電線路を通じて電力供給を行う事業である。
東日本大震災以降、新電力がクローズアップされており、すでに電力小売事業者や商社、マンションのデベロッパーなど52のPPS業者が活躍しているほか、こうした新電力会社の提案や契約の代行をするPPS代理店も現れている。
こうしたことから、マンションなど集合住宅などでの蓄電や売電の需要も増加するものと予想され、当社も小規模自動検針装置など、安価で高性能の電力監視装置などの事業に注力していきたい。
一方、配電制御機器業界は、電気自動車や太陽光発電、燃料電池、二次電池など新エネルギー市場の拡大に伴い、これらを構成する各種デバイスの高電圧・大容量化が進んでおり、これに関わる急激な需要の増加に応えていかなければいけない。
既存設備のリニューアルや更新需要も増加しており、特に今年は、2014年4月からトップランナー方式のトランスが新しい基準に更新されることもあり、昨年以上に忙しい状況になることが予想される。
優れた板金技術や塗装能力を持つ当社の山梨工場は、こうした新たな製品技術に対応する能力を備えており、市場の新たな要求に応えるため、最大限に能力を発揮させていく方針である。また、「国内クレジット制度」も推進しており、配電制御機器メーカーとして、責務を果たしていきたい。