蓄電・創電システムの急増や、メガソーラー施設の建設ラッシュに伴い、配電盤・制御盤業界は活況を呈しているが、今後もトップランナー方式トランスの新基準導入に伴う設備の更新需要や、消費税増税前の駆け込み需要、さらに新電力のPPS(特定規模電気事業者)の普及などが予想される。こうした動きを新しいビジネスチャンスととらえ、新たな市場創出につなげようという動きが活発化している。
蓄電・創電システムや太陽光発電システム、パワーコンディショナなど「省エネ・創エネ・蓄エネ」をテーマとしたシステム・製品の需要が増加している。特に、大規模なメガソーラーシステムの建設ラッシュに伴い、このシステムに必要な接続箱やパワーコンディショナなどの需要が急増し、フル生産の状況が続いている。
また、こうした機器の普及に伴い今後は、機器類のメンテナンス需要も出てくることが見込まれ、配電盤業界を中心に、こうした動きに追随できるよう、メンテナンス体制を早急に確立しなければ、という声も出始めている。
さらに、2014年4月から、トップランナー方式のトランスが新しい基準に変更されることから、これにかかわる設備更新の駆け込み需要が予想され、来年度実施される消費税増税前の駆け込み需要と合わせた、受注体制の準備に入りつつある。
一方、東日本大震災以降、電力会社などの一般電気事業者以外で、大口需要家に対し電気の供給を行うPPSが増加していることで、新しいビジネスチャンスに繋がることへの期待の声も高まっている。PPSは契約電力が50kW以上の需要家に対し、一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行うもので、大型ビルや大規模工場など、特定の供給地点に電力を供給している。
PPSには、電気事業専門企業のほか、マンションのデベロッパーなど、50社以上が事業に参入しているといわれている。
最近では、電力会社の電力料金値上げの動きとも絡み、PPSとの契約を検討するところも増えている。
PPSの提案や契約の代行を行うPPS代理店も登場しており、今後、マンションや集合住宅などでもPPSと契約するケースが増えてくることが予想される。
配電システム業界では、こうした電力分野での新しいビジネスチャンスに対し、タイムリーに対応できるように専門委員会を設置する動きもあり、今後注目される。