村田製作所は、NECのMRセンサ(磁気抵抗センサ)事業を譲り受ける。このほど両社間で合意に達し、6月1日を目途に譲渡を完了する。基板実装・組込用磁気センサは国内出荷額が350億円前後と推定される。村田製作所は、NECのMRセンサ事業を取り込むことで民生用から産業用まで対応できる体制が充実する。
NECのMRセンサは小型、高感度の磁気抵抗センサ付き集積回路。非接触での回転数や位置検出に優れ携帯電話、ノートPCなどの開閉検出や給湯器、水道・ガスメータなどの流量検出用など幅広い分野に採用されており高いシェアを持つ。
一方の村田製作所は赤外線センサ、超音波センサ、衝撃センサ、回転センサ、角度センサ、磁気識別センサ、MEMSセンサと幅広いセンサ群を製造販売している。
このうち、磁気式の種類は磁気抵抗値が変化することを利用したもので磁気識別センサと回転センサがあるが、印刷物や紙幣の識別、工作機械や電車のモータ回転制御など特定の用途が多い。
そのため、同社では産業機器、自動車、民生向けに事業を拡大するため、NECのMRセンサ事業を譲り受けた。
なお、NECのMRセンサはNEC山梨、村田製作所の磁気識別センサは金沢村田製作所が生産している。