昭電(東京都墨田区太平4―3―8、TEL03―5819―8373、太田光昭社長)は、太陽光発電(PV)システムを雷被害から守る雷害対策用SPD(避雷器)「ADNシリーズ」を4月から発売する。価格はオープン。年間1万台の販売を計画。
新製品は、PVシステムの直流系統に侵入する誘導雷、直撃雷からPCS(パワーコンディショナー)、太陽電池パネル、接続箱、集電箱などに実装している構成部品を保護する。
日本のPV仕様であるDC600V系統、DC1000V系統に対応し、公称放電電流In20kA(最大放電電流Imax40kA)とインパルス耐量が大きく、長寿命となっている。
また、直流高電圧・短絡電流に対する分離機構(SIT)を内蔵しており、万が一落雷などにより劣化や短絡故障した場合でも、SPD素子を直流電源系統より安全に切り離すことができる。
SIT機構は、直流1000Vで80AまでをSPD単体で遮断でき、80A以上の大電流領域では、ADN専用外付けヒューズを設置することで1000Aの大電流領域まで対応可能なため、メガソーラのような大規模PVシステムにも最適で、システムの信頼性、安全性が大幅に向上する。
さらに、多回数の雷サージ侵入によるSPD内蔵素子の劣化時には、SPDの交換寿命を知らせる故障表示機能や警報出力機能で、異常を表示できる。
PV市場は昨年7月にスタートした「PVの固定価格買い取り制度」以降、急速に拡大しているが、雷によるPVの被害件数も増加傾向にある。
SPDは、高価なPCSの保護や発電停止のリスク低減などから、今後需要の拡大が見込まれている。