コネクタは、スマートフォン・携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、薄型テレビなどのデジタル家電や、アミューズメント分野、さらに自動車分野が牽引しており、FA分野、工作機械・ロボット向けなどの需要も大きい。加えて、デジタル放送関連やセキュリティ分野、移動体通信基地、再生可能エネルギー関連分野などでも市場が拡大している。
コネクタは超小型・スリムサイズ、低背化、最軽量化、SMT対応、カード用コネクタの増加などが進んでおり、接触の安定性確保、環境・作業性に配慮した結線方式採用の取り組みも進んでいる。
●セーフティタイプが浸透
安全ニーズに応えたセーフティタイプのコネクタも浸透している。配線の接続作業時や計測作業時、不用意な接触事故などを未然に防ぐ構造となっており、工場のほか研究室、学校など様々な分野で使用されている。
産業機器分野で普及が期待されているのが、工作機械や半導体製造装置などで使用されるセンサをつなぐコネクタである。機械・装置で使われるセンサは多種あり、メーカーによって使用されるコネクタも異なっているが、コネクタの標準化を図ることで、配線工数や在庫コストなどを削減し、トータルでのコストダウンに繋がっている。
●ケーブルアクセサリー堅調
ケーブルアクセサリーや配線ダクトは、配線接続機器を陰で支えているが、最近では端子台、コネクタの需要増と比例するように用途拡大が進んでいる。特に、ケーブルアクセサリーは、デジタル家電や自動車向けを中心に堅調に推移している。この分野でも環境対策が進んでおり、環境負荷の大きい有害物質の排除に向けたエコ製品の開発や再利用できるタイプの開発が進んでいる。ケーブルと取り付けベースを一体化した製品のほか、素材にステンレススチールを採用し、機械特性や耐候性に優れた配線接続資材は、建築現場や船舶・航空機分野など、屋外使用の分野で市場を拡大している。
●コンピュータでマーキング
配線接続機器へのマーキングを行う方法も、最近はコンピュータ化を強め、使いやすさが向上している。プリント時間の高速化も進み、マーキング部材も、油や薬品、スクラッチ、粘着性など厳しい産業界の使用環境にも耐える専用品が、材質、サイズ別にそろっている。部材は消耗品であることから、新たな売り上げにつながると、拡販に注力するところも多い。配線工具も用途に応じたものが出てきており、作業効率の向上にもつながっている。
配線接続機器は、幅広い分野で使用されているだけに、市場は比較的安定して推移している。ただ市場のグローバル化と中国、台湾、韓国など新興国メーカーの台頭もあり、販売競争は激しくなっている。コストダウン、付加価値の向上などに向けて各社とも工夫を重ねている。