アズビルは、タイに100%出資の生産子会社「アズビルプロダクションタイランド」(根本敦之社長)を2月20日付で設立した。資本金は約4・2億円。新会社はタイ・チョンブリー県のアマタナコン工業団地内に設立。スピーディーに操業を開始するために、第1ステップとして敷地、建物を借用して、今年夏から温度調節計や空調用コントローラの生産を開始する予定。規模は敷地面積約2500平方メートル、工場床面積は約1300平方メートル。従業員は50人規模でスタート、1年目の生産高は2億~3億円、3年後には数十億円規模に拡大する計画。
同社では、グローバルでの最適なロジスティック整備、地域特性に合わせた製品対応の強化に向けた生産体制の再編を進めている。タイと合わせて中国・大連にあるアズビル機器(大連)も現地での設計機能と調達を強化してコストを低減させる。工業用ならびに空調用の調節弁、ポジショナ、リミットスイッチなどで生産品目の拡大を図る。
さらにアズビル香港深圳工場からも一部製品の生産をタイに移管する。
一方、日本国内の生産体制も再編成し、神奈川県の秦野工場を13年秋までに操業中止し、他の国内工場、海外工場などへ機能を移転・集約する。
現在同社は、海外は中国、国内は神奈川地域に工場が集中していることから、BCP(事業継続計画)を含めたリスク分散の点からも、アジア経済の成長とインフラ基盤の整っているタイに今回生産工場を設置した。
azbilグループでは今後も国内と海外で生産機能を分担し、地域特性に合わせた製品対応を行うことで、現在1割に満たないグループの海外生産比率をここ数年で3割強へ高める計画。