不二電機工業(小西正社長)は、端子部にアルミニウム合金を採用し、軽量化とコスト低減を実現したアルミ端子台「TUAシリーズ」を開発、近日発売する。3年後、年間5億円の売り上げを見込んでいる。
TUAシリーズは、端子部を銅合金からアルミニウム合金に変更することで、端子部の総重量を同社従来製品比約10~30%軽量化したもの。
コスト的にも、アルミニウムの原材料価格が、銅価格より安く(アルミキロ当たり約200円、銅同700~800円)安定しており、アルミニウム合金を採用することで、従来の銅合金製品より価格を低く抑えられる。
同社では、販売価格を1極当たり10~1000円程度で予定している。
新製品は、熱伝導性と放熱性に優れ、接続電線への負荷を軽減できる。特に熱伝導率は従来の真ちゅう合金製の約3倍となっている。また、電位差がなく腐食しにくいアルミ電線の配線に最適で、機器の軽量化にも貢献する。
さらに、銅やスズメッキの異種金属との接触に対する耐腐食性も備えている。
そのほか、端子をギザギザに押し出し成形して表面積を増やし放熱量を高めたことで小形でも大電流が流せる、通常の端子より軽いため、リブ付けなどの部材補強を行い端子台の高さが高くなっても重量が負担にならない、遅燃性樹脂の採用で難燃性に優れる(UL規格HBに相当)などの特徴を持つ。
定格絶縁電圧600V、接続電線サイズは、0・75平方ミリメートル(定格電流10A)~150平方ミリメートル(同250A)まで対応、ねじサイズはM3からM10と豊富なラインナップを完備。
用途は広範な産業分野で使用できるが、太陽光パネルの接続箱や自動車、鉄道車両、各種電機設備など、軽量化による作業・輸送コストの低減などが求められるところで効果を発揮する。