12年度の重電機器国内生産7.2%増・3兆6542億円へ JEMA発表 発電用原動機が牽引 日本製半導体製造装置のBBレシオ2カ月連続1を上回る

重電機器の2012年度国内生産が当初見通しを上回り、4年連続で増加する。PLC(プログラマブルコントローラ)やサーボモータ、汎用インバータなどの産業用汎用電気機器は低迷したものの、受注生産品の発電用原動機関連機器が電力確保に向けた需要増や北米向けの輸出増などで大幅に伸びたことなどにより、前年度比107・2%の3兆6542億円になる見込み。当初は同98・2%の3兆3467億円と減少の見通しだったが、逆に約3000億円上回ってプラスになった。13年度は同98・8%と5年ぶりに微減となる見通しだが、産業用汎用電気機器は国内の景気刺激策による民間設備投資の回復などが見込めるとして、同104・3%になる。
日本電機工業会(JEMA、大坪文雄会長)は、電気機器(重電/白物家電機器)の12年度生産実績見込みと13年度生産見通しを15日発表した。

重電機器の12年度生産を牽引したのは発電用原動機と回転電気機械で、それぞれ同131・9%、同107・3%。発電用原動機は、11年度に納入期がずれていた分や、電力確保施策、北米市場の伸長継続などで、ボイラ、蒸気タービン、ガスタービンともに大幅に増加。回転電気機械もサーボモータは大幅に減少したものの、交流発電機や交流電動機がそれぞれ同120・3%、同152・5%と伸長し、静止電気機械器具も電力変換装置が再生可能エネルギーの買い取り制度開始に伴うパワーコンディショナーの増加などで同105・7%になる見込み。

ただ、重電機器の中の産業用汎用電気機器が、中国を中心としたアジア向け輸出の低迷が継続していることが大きく影響し、同84・7%と前年割れとなる見通し。

一方、13年度の重電機器の生産は微減と5年ぶりに一服する見通し。発電用原動機の蒸気タービンが国内の震災復興需要が一段落することや、輸出案件が少ないことなどから大きく前年割れとなることから、同89・8%に減少することなどが影響。ただ、発電用原動機は単年度では減少するものの、先進国の更新需要や新興国の新規需要に支えられて、14年度以降の受注を確保しており、中長期的には堅調に推移する見通しだ。

また、産業用汎用電気機器は国内の建築着工に回復の兆しが見られ、景気刺激策による民間設備投資の回復で高効率、省エネ機器などの増加が見込める。

PLCは12年度の73・5%から13年度は108・9%の869億円、サーボモータは同38・4%から103・2%の703億円、汎用インバータは78・0%から98・0%の537億円の見通し。

なお、白物家電と重電機器を合わせた電気機器全体の12度生産見込みは、5兆2949億円(前年度比104・3%)、13年度見通しは5兆2038億円(同98・3%)。
日本半導体製造装置協会(大林秀仁会長)が発表したところによると、1月度BBレシオ(速報値)は日本製半導体製造装置が1・18、同FPDが1・07であった。日本半導体製造装置が1を上回るのは2カ月連続で、回復の兆しが出てきた。

1月度の輸出を含む日本製半導体製造装置の受注額は、前月に続き700億円を超え743億1600万円(3カ月移動平均)、BBレシオは1・18となった。前月比で2・8%増、前年同月比25・2%減。

販売額は629億7800万円。前月比6・8%増、前年同月比32・5%減。

日本製FPD(輸出を含む)の受注額は、150億2100万円、BBレシオは1・07である。前月比21・5%減、前年同月比3・0%減。

販売額は140億5900万円。前月比10・5%減、前年同月比45・8%減である。

半導体製造装置が底バイからようやく脱し回復に向かいつつあることから、駆動・制御機器各社は売り上げ増加に期待している。

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