日本電気制御機器工業会(NECA、山田義仁会長)は、2013年度(平成25年度)の電気制御機器の出荷見通しを12年度比104・9%(290億円増)の6250億円となる見通しを発表した。これは過去最高の出荷であった07年度(6662億円)に対して、93・8%の水準。国内出荷は同102・1%の3920億円で、輸出は同109・8%の2350億円となり、輸出の伸びを高く見ている。
13年度の国内出荷は、成長戦略政策への期待、円安基調に伴う輸出増の国内経済への波及、さらには、消費税率引き上げ前の駆け込み需要などでの伸長を見通している。
輸出は、為替相場の円安傾向、米国・中国を中心とした海外経済持ち直し傾向などで総じて増加するとして、2桁近い伸びを見通している。
一方、12年(平成24年)度の出荷見込みは、前年度比97・4%の5960億円で、期初の見込み6200億円に240億円届かず、2年連続で前年割れとなる。国内は同99・2%の3820億円と微減であったが、輸出は円高や中国市場の低迷などもあり、同97・4%の2140億円と国内出荷以上に伸び悩む見込み。
NECAでは今回、製品分類別出荷額を公表していない。為替の動向が不透明であることや、月によって大きく変化する製品分類があること、さらには、3月の出荷見込み額が想定よりさらに下回る恐れがあることなどからで、12年度の出荷額が確定した段階で公表するものとみられる。
3月15日に13年度の生産見通しを公表した日本電機工業会(JEMA)では、PLCやサーボモータ、汎用インバータなどの産業用汎用電気機器の生産が、12年度は84・7%と大きく落ち込む見込みに対し、13年度は104・3%と増加する見通しを立てている。景気刺激策から民間設備投資の回復により、高効率機器や省エネ機器の需要が増加するとみており、輸出も在庫調整局面を脱し、アジア市場を中心に安定的に回復する見通しを立てている。
日本半導体製造装置協会がまとめている日本製半導体製造装置のBBレシオも、12年12月は1・23と1を上回ってきており、13年1月も1・18と受注が先行している。半導体製造装置の受注が上がってくることで、JEMAがまとめているPLC(プログラマブル・コントローラ)の13年度生産見通しの同108・9%の裏付けにつながり、同様にPLCの出荷統計をまとめているNECAの生産も同程度が見込める。半導体製造装置の受注増はNECAの検出用スイッチの需要にもプラス効果をもたらすことになる。また、省エネや震災復興が本格化することで、監視制御機器や盤用機器のリレーやスイッチ、端子台・コネクタなどの需要拡大に確実につながってくる。
各種調査機関の13年度民間設備投資の平均の伸び率は前年度比2・3%のプラスに転じるという。生産能力増強は慎重であるものの、維持や補修を目的とした投資が増える。
なお、NECAでは為替の影響を、12年の1ドル83円が、13年は90円とした場合、13年度出荷額は2167億円(前年比101・3%、上乗せ額183億円)と想定している。