太陽光発電用SPDが好評フエニックス・コンタクトの「VAL-MS-DC-PVシリーズ」外部分離器不要今年、1万台の販売見込む

フエニックス・コンタクト(横浜市港北区新横浜1―7―9、tel045―471―0050、青木良行社長)は、太陽光発電用SPD(サージ防護機器)として、外部分離器(バックアップヒューズ)が不要な「VAL―MS―DC―PVシリーズ」を2010年から市場に投入しているが、太陽光接続箱メーカーを中心に高い評価を得ている。

同シリーズは、欧州での太陽光発電用SPDの新規格「EN―50539―11」に対応している。

新規格では太陽光発電システムの直流側に用いられるSPDに特化して所要性能と試験方法が定められた。

太陽光の発電電流は直流のため、特有の電圧・電流特性を持ち、出力を短絡しても電流は最大電力点での電流の1・2倍前後のものが主流となっている。

また出力電流は太陽光の照射量に依存し曇天時などには大幅に減少することなどから、外部分離器を使用してもSPDの短絡故障時に流れる電流が小さく、ヒューズによる遮断/分離ができないケースが多い。

同製品は、MOV(酸化金属バリスタ)の短絡故障時にも外部分離器に依存せず、内部分離器が確実にSPDを電源システムから分離する回路方式を採用している。MOVと内部分離器の各3個がY字状に結線した回路で、放電経路はすべてMOV2個が直列に接続されており、MOV1個が短絡故障してももう1個が残り、電源ラインの短絡・地絡を防げる。

また、大きなサージの放電後も、短絡故障に至らず劣化した状態で残ったMOVが内部分離器により電源から分離される。

しかも、太陽光接続箱にはSPDの外部分離器として、SPDの数倍のスペースを必要とするブレーカを用いられることが多いが、新製品ではこのブレーカも不要なため、省スペース化にもつながる

同社では接続箱メーカーやEPC(エンジニアリング会社)などを中心に13年には1万台の販売を見込んでいる。価格は1万2000円から。

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