一般的な太陽光発電システムは、太陽電池、接続箱・集電箱、パワーコンディショナー、保護継電器、各種センサー、売電・買電電力量計、データ計測装置・表示装置、避雷装置、変圧器、受配電盤で構成されている。
種類は系統連系システムと独立システムの2種類があり、系統連系システムには標準型と自立切替型がある。
系統連系システムは、太陽光発電設備が電力系統へ接続されており、電力会社との連系協議が必要となる。大規模発電の場合は高圧・特別高圧でも送受電のため引き込み線など制約が大きく、計画・設計段階から連携点などを意識することが大切である。
また、系統連系システムには、「逆潮流あり」と「逆潮流なし」がある。逆潮流ありは、発電電力を発電所内電気設備に供給し、発電量が負荷電力を上回った場合、電力系統へ供給する。発電量が不足すると、電力系統から供給を受ける。最も普及している逆潮流なしは、常時、太陽電池で発電した電力より負荷の方が多い場合に用いられるシステムであり発電電力は負荷だけに使用する。余剰電力が発生した場合は、電力会社への系統に逆潮流させないよう保護継電器の設置が必要である。自律切替型は防災用として設置されることが多いシステムである。停電時などに電力系統側と切り離し、太陽電池で発電した電力を特定負荷に供給する。蓄電池を組み合わせ安定供給するケースが多い。
太陽光発電システムの周辺機器では、接続・集電箱は複数の並列回路になった太陽電池出力を一つの回路として束ねる役割の装置。サージアブソーバ、逆流防止ダイオード、配線用遮断器などで構成されている。
系統連系保護継電器は、系統側やインバータ側に異常が発生した時に検知し、速やかにインバータを停止して系統側の安全を確保しなければならないため、設置が義務付けられている。逆潮流あり高圧連系システムにおいては、過電圧保護継電器(OVR)、不足電圧継電器(UVR)、周波数上昇継電器(OFR)、周波数低下継電器(UFR)、地絡過電圧継電器(OVGR)の設置が必要である。系統連系保護装置については電力会社との事前協議事項となっており、協議のもとに決定する必要がある。
パワーコンディショナーは、インバータ、制御回路、連系保護装置、接続箱などで構成されている。直流を交流に変換すると同時に、電力系統と整合のとれた電力にするため、周波数、電圧、電流、位相、有効・無効電力、電圧変動、高調波などを制御する。自動運転停止・最大電力追従制御・単独運転防止・電圧上昇抑制・異常時の解析/停止などの機能を持っている。
センサーは、気象状態をデータ化するもので日射量計、外気温度計などがある。
データ計測装置と表示装置は、各装置の運転情報やセンサー情報を集積し表示する。遠隔計測・制御も行われる。
蓄電池システムは、日射量の少ない時や夜間の発電しない時間でも電力を供給するために用いられる。自律切替型に蓄電池を組み合わせることで、災害時の電力供給や発電電力急変時の系統安定化、ピーク電力カットなどいろいろな活用が可能である。