配電制御システムわが社の「有夢有希」 制御装置へシフト、差別化図る 提案型営業で受注伸ばす

メカトロニクス、エレクトロニクス商社の六合エレメックの製造部門を担うのが、六合システム電子工業だ。六合エレメックの大手取引先の要望を聞いて、それに応える制御システムなどを開発、顧客に対するサービス向上に結び付けている。オリジナル製品として、工作機械の操作パネルなどのブラウン管モニターの置き換え用液晶モニターユニットなども開発している。
【事業概要】

横江社長
六合エレメックの前身、六合産業の製造部として1968年に発足、73年に六合電機工業として分社化。85年には六合システム電子工業に社名を変更、受託設計や各種制御装置の開発などを手掛けてきた。2012年には、本社を名古屋市名東区から、同東区の六合エレメック本社近くに移転、六合エレメックとより密接に協業しながら事業を展開している。
【得意な分野】

横江社長
マイクロコンピューターを使用した制御基板、検査装置の開発、PLC/ボードPLCを使用した装置の開発などを得意分野としている。制御基板としては、高密度実装基板、ハーネス加工済み基板などを、検査装置としては、ハーネスの導通検査装置、SW基板の動作検査装置などを、PLCを使用した装置としては、搬送装置、位置決め装置などの実績がある。検査装置でも、顧客によって必要とするニーズが個々に異なるため、機能を細分化して高機能タイプにしたり、顧客のコスト削減ニーズに応えてボードタイプの基板でコストを削減したりして、差別化を図っている。

また、高品質な製品を提供するため、大型恒温室、ノイズ試験器、静電気試験器などで環境試験を厳密に行っている。
【営業は六合エレメックと一体で】

横江社長
営業部門は特に設置しておらず、六合エレメックの営業マンと六合システムの技術者が同行して顧客を訪問している。六合エレメックの取引先の自動車関連、工作機械、電機メーカーなどの制御、設計に関する要望を聞いて営業マンと技術者が提案を行う提案型営業で受注を伸ばしている。大口取引先のパナソニックのPLC/画像装置に関するSE認定の資格も六合システムの社員3人が取得している。PLCのプログラムから製造までのソフト、ハードの機構を詳細に理解することで、PLC制御の設計、販売に確実に結び付いているようだ。

海外については、中国・上海に六合エレメックの子会社、上海洛庫高電子があるが、これらの取引先である日本の現地メーカーからも様々な開発の要望が来ている。今後は六合システムからも技術者を派遣して、現地でのアセンブリー加工などに役立ってもらうようにする。
【売上高】

横江社長
13年2月期の売上高は、前期比約10%増の約7億円だが、3年前に比べると2倍ぐらいで大きく伸長した。工作機械関連の伸びが特に貢献している。機械の寿命を延ばす構成部品など付加価値の高い製品が顧客に好評だ。
【単なる制御盤から制御装置へシフト】

横江社長
単に部品を組み合わせるだけの制御盤では、なかなか差別化が図れないので、付加価値のある制御装置、オリジナル製品にも力を入れている。NC装置用モニター付き操作パネル、プレスブレーキ用NC制御装置、ロールスクリーン用制御装置などの製品開発がある。

オリジナル製品としては、リワーク商品と呼んでいる古いブラウン管モニターの置き換え用液晶モニターユニット、古いフロッピーディスクドライブの置き換え用USBユニットがある。長年使用している工作機械のNC装置、パソコンなどの寿命を延ばすことができ、堅調な需要が見込まれる。今後は医療機器の制御なども手掛ける予定で、各種制御装置の製作で、製造業が多い中部地方のモノづくりの一翼を担っていきたい。
温泉旅行で疲れを癒す
【編集後記】

横江社長は、岡谷鋼機のエレクトロニクス本部長を経て、11年に六合エレメックの社長に就任、六合システム電子工業の社長にも就任した。その激務の中での癒しは温泉めぐり。気ままな一人旅が好きで、海外から国内までの主な観光地をくまなく訪れている。特に温泉は国内の主要温泉をほとんど制覇しており、湯に浸かりながら歴史書を読んでいるとか。こうしたリフレッシュで英気を養い、会社経営の活力に結び付けている。

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