シュナイダーエレクトリック(東京都港区芝公園2―4―1、tel03―6402―2001、セルジュ・ゴールデンベルグ社長)は、長野県パトロール(小諸市、竹花長雅社長)が小諸市内に建設したデータセンターに、空調設備やUPS(無停電電源装置)をはじめデータセンター内の物理インフラの統合管理ソフトウェアなどを納入した。
このうち、空調システムは、同社のInRowタイプの水冷式空調システム「InRow
RPCW」と、ホットアイルを密閉してIT機器の排熱を閉じ込める「Hot
Aisle
Containment
System(HACS)」を採用している。寒冷期の外気を活用して、冷却水を冷やすことで、室外機を稼働させることなく必要な冷却能力を確保できる。これにより現在の推定では、年間の半分以上の期間は室外機の冷却機能を稼働させずに済み、空調コストの大幅な抑制が見込まれている。また、電源設備はブレードサーバーなど高密度な機器に対応するために1ラック当たりの電力供給能力は平均8・8kVA、最大で12kVAに設定し、UPSは同社の「Symmetra
Px
160kVA/160kW」を導入した。
さらに物理インフラの統合管理ソフトウェアも同社の「StruxureWare
Data
Center
Central」を採用。各ラックに設置されたPDUからの情報を統合管理し、顧客ごとの利用電力量の可視化を実現。これにより各ラック、ITシステムごとの消費電力量を正確に把握でき、実測データに基づいた柔軟で透明性の高い価格設定がなされたサービスプランの提供が可能になる。
長野県パトロールの竹花長雅社長は「シュナイダーエレクトリックの製品を採用したことで高密度な設計が可能になり、データセンターに必要なラック数を減らせ、トータルコストを下げられた。将来的には首都圏からの受注も拡大させて、地域経済の発展や雇用の拡大などに貢献できると期待している」と話している。