三菱電機は、ワイヤ放電加工機の新製品として、加工液に油を用いることで、安定的な高精度微細加工を実現した「MX600」を発売した。標準価格は3300万円。2013年度50台の販売を計画。
新製品は、従来の4分の1の細かなサイクルで放電を行う油加工液専用の「n―PV(ナノパルスブイ)電源」の搭載で、被加工物の割れ・表面硬化層を抑制して安定的に滑らかな仕上げ面を実現した。油加工は、被加工物と電極の間で発生する放電状態の変化をモニター回路で検知することで、精度を得にくい加工形状のコーナー部においても、素早く放電状態を制御し寸法精度を向上できる。
また、電極を自動で挿入・結線する自動結線装置「Intelligent
AT」の最小使用ワイヤ径をφ0・1ミリからφ0・05ミリへ小径化して、微細な加工を実現している。さらに、熱源となる電源盤・制御盤・加工液ポンプを機械本体から遮断し、精密加工の妨げとなる本体への熱影響を防止するとともに、磁束を360度効率良く推力に変換できるシャフトリニアモーターを駆動部に採用し、電力消費量を削減するとともに、指令値に対し誤差の少ない加工を実現。
そのほか、300×200ミリのX・Y軸移動量を確保しながら、機械構成ユニット部品の小型化による省スペース化や、油加工液の効率的使用により、加工液タンク容量の小容量化(300リットル)などを実現している。