日本電機工業会(JEMA)は、「2013(平成25)年度電機工業技術功績者」の受賞者を発表した。JEMAの取り扱い製品である重電機器・白物家電機器の技術進歩の発展を図る一助として、1952年度から毎年表彰を行っており、今年で62回目。
今年度は、正会員36社から106件209人の申請があり、審査の結果58件113人が選ばれた。
内訳は、最優秀賞1件2人、優秀賞3件5人、優良賞6件12人、奨励賞48件94人。また、委員会活動2件48人も選ばれた。
最優秀賞には、三菱電機の下村哲朗氏と安田賢氏の「GCTサイリスタ変換器適用
世界最大級450MVA自励式STATCOMの開発・製品化」が選ばれた。この装置は(1)長距離大容量送電系統の定態安定度向上(2)長距離大容量系統事故時の過渡安定度向上(発電機脱調防止)(3)送電線事故時のフェランチ現象による過電圧の抑制(4)発電機や送電線の回線停止時等低短絡容量時の安定性向上(5)既設の系統安定化装置との協調など、遠隔立地の発電所からの電力を都市部へ送電する際の各種系統問題に対応した製品として開発、実系統で運転を開始している。
また重電部門優秀賞は、日立製作所妹尾茂樹氏の「世界最大級の蒸気タービン最終段長翼のための超音速翼技術の開発」、家電部門優秀賞は、ダイキン工業樽木裕介氏と平木雅人氏の「地球にやさしい新冷媒R32を採用し、省エネ性と快適性を大幅に向上したルームエアコン『うるさら7』の開発」、ものづくり部門優秀賞は、三菱電機原口林太郎氏と白土浩司氏の「電機・電子分野の組立作業用生産システムの開発」に授与された。
委員会活動優秀賞は、蓄電システム技術専門委員会佐土原正志委員長ほか32人と、蓄電池併設型分散電源システム認証検討WG山口健二主査ほか7人の「蓄電システムの安全基準作成」に授与された。