分岐点

パソコンメーカーによる家庭からの回収・リサイクルが累計で300万台を突破した。2011年度と12年度の両年度で83万5000台に達した。ゆうパックを利用した共通システムで回収した数字であり、メーカーが個別に引き取った使用済みパソコンは含まれていないのだから、実際はもっと多い。

環境省、経済産業省は3月に使用済み小型電子機器の回収に係わるガイドラインを発表した。小型電子機器などに含まれているアルミ、貴金属、レアメタルなどがリサイクルされずに埋め立てられている現状から、資源の有効再活用へ法整備を行った。再活用できる物を廃棄処分するのは「もったいない」文化風土にも反する。

家電リサイクルプラントは全国で49施設ある。工場では、搬入された家電品を手作業でモーターや基板、コード、熱交換器、キャビネットごとに解体・分類し、機械で破砕する。破砕・分別は風力や磁石、振動などで自動化されているが、手作業工程はヘルメットをかぶりマスクをして、軍手で工具を使って行う。

自動化にほど遠く作業環境は良いとはいえない。静脈産業は循環型社会構築の要である。この分野のオートメーションシステムは、経済発展の著しい新興国に移植できる有望な輸出産業に成り得る。医療・介護機器や植物工場と同様に成長が期待できる。静脈産業を成長戦略産業に加えるときではなかろうか。

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