ロームはこのほど、サーバー電源・産業機械・省エネ家電などの電源やPFC回路向けに、MOSFETとIGBT両方の特性を持つ高耐圧新型トランジスタ「Hybrid
MOS」を開発。大電流時から小電流時までフルレンジでの省エネ化が可能なトランジスタとして、今年夏からサンプル出荷を開始する。
省エネ機器などのスイッチング電源で発生する、電流の乱れを制限値以下に抑えるPFC回路には、高速スイッチングや低電流性能に優れたスーパージャンクションMOSFETが使用されており、高温・大電流性能が必要な産機などの省エネ機器のPFC回路には、MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化させたIGBTが搭載されていたが、効率面で課題が多かった。
Hybrid
MOSは、スーパージャンクションMOSFETと、IGBTのデバイス構造を融合。MOSFETの高速スイッチング特性と低電流性能、さらにIGBTの高耐圧特性という両方の特性を兼ね備えている。
MOSFETの特性を維持したまま、高温・大電流性能の向上を実現。これにより、定格保証域の向上のほか、高速スイッチングや低電流特性などの点で高性能を発揮するので、応用機器範囲が拡大する。さらに、高温・大電流性能が必要で、IGBTを使用していたハイパワー分野においても、高速スイッチングや低電流のメリットが提供でき、機器の大幅な省エネ化に貢献する。
同社では、今後もHybrid
MOSのラインアップを拡充することで、各種機器のさらなる省エネ化を図っていく。