【名古屋】東洋電機は、オープンフィールドネットワークのCC―Linkに対応した無線式モニタリングシステム「MAGIC
BEE(マジック・ビー)」を開発した。端末に温度、湿度、照度などのセンサを内蔵、ZigBee無線方式で空調の監視などが行える。既に受注を開始しており、6月から順次出荷していく。
ビルや施設などの環境監視は従来、有線でパソコンとセンサなどを接続する場合が多く、無線システムもあったが、単機能のタイプがほとんどだった。そこで今回、CC―LinkとZigBee無線を活用、センサ・ネットワーク環境を簡単に構築できる多機能モニタリングシステムを開発した。
システムは親局と子局で構成され、子局は標準で温度センサ、湿度センサ、照度センサ、アナログやデジタルの外部入力5点、デジタル外部出力1点を内蔵、多機能になっている。親局は通信ケーブルでパソコンと接続することで、子局から無線で送られてきたデータや通信状況(受信感度・通信経路)のモニタリングが行える。また子局のパラメータの設定も行える。
上位システムとコントローラーを接続すれば、モニタリングしたデータを基に照明器具、空調設備などの調節も行える。
子局は、ZigBee方式の採用と回路の最適化で、低消費電力を実現、10分間に1回計測を行った場合、内蔵バッテリーで約5年間稼働する。増設バッテリーやAC、DCなどの外部電源も使用可能。親局1台に対し、子局、中継局が最大で100台接続できる。
CC―Link使用の既存システムの先に無線モニタリングシステムを容易に構築できる。網目のようなネットワークから最適な経路を見つけるメッシュ型トポロジーにより、子局が収集した情報は、親局を経由して確実にパソコンに送られる。
その他、(1)多段にわたるリレー接続が可能なマルチホップ機能(2)追加端末が自動的にネットワークに入るアドホック機能(3)通信経路の自己修復機能(4)オプションで、騒音センサ、人感センサ、臭気センサ・CO2センサ、加速度センサなどが付けられる拡張性、などの特徴がある。通信速度は最大250Kbps、通信距離は見通しで屋内60メートル、屋外1500メートル。
用途は、ビル、施設、植物工場などの環境モニタリング、トラックの輸送過程の品質管理などのトレーサビリティー、上下水道のポンプの故障に対する予防保全などが考えられている。