FA制御機器各社から2013年度業績計画が出始めた。売上高を上期5%増、下期8%増、通期で6~10%増前後と見込んでいる。国内市場では広範囲の営業展開と高機能製品開発により、幅広い産業をカバーする。特に、省エネ絡みの環境市場開拓に注力するものと見られる。海外では中国や新興国の開拓を強化する数年来の方針を堅持する。(関連記事3面)オムロンは、制御機器事業の13年度売上高を2820億円(前年度比7・2%増)で計画している。上期に1370億円(同5・5%増)、下期で1450億円(同8・5%増)を見込んでいる。
三菱電機は、13年度通期売上高を3兆8100億円(同7%増)で計画している。上期は1兆7800億円(同5%増)、下期は2兆300億円(同8・5%増)としている。産業メカトロニクスの売り上げは9900億円(同7%増)を計画しており、後半の伸長を見込んでいる。
富士電機の駆動・制御機器などのパワエレ機器事業は、13年度売上高1645億円(同10・5%増)を計画。セグメント別で最大規模となる。上期663億円、下期748億円で下期の伸長を見込んでいる。
パナソニックデバイスSUNXは、通期売上高400億円(同6・5%増)を計画している。主要顧客である半導体・液晶製造装置関連の回復力が弱いことから、上期より下期の伸びを高く見ている。
総じて、国内の景気回復による売り上げへの波及効果は下期からと判断している。
牽引役となる自動車関連や電子部品産業は徐々に回復の傾向にあり、半導体製造装置産業も回復が見込めるものの、ロボット、工作機械の回復の足取りが重いことから、カバーする分野の拡大へ代理店を含めた営業力を強める。特に、制御技術を転用し再生可能エネルギーや省エネなど環境関連事業に注力する。
新製品開発費もシェアアップへ増額傾向にある。
三菱電機は、研究開発に前年度比5%増の1812億円を投入。オムロンも同様に前年度比10・4%増やし480億円を計上し、最強化に取り組んでいる制御機器事業では高機能商品の拡充、グローバルスタンダード商品の充実を図る。富士電機は、パワエレ機器の研究開発に前年度より7億円増の88億円を投資する。グローバル商品の開発強化を進める。
パナソニックデバイスSUNXは、昨年度発売の新製品で7億円、今年度発売計画の新製品で3億円を売り上げ計画に盛り込んで拡販する。
一方、海外売り上げの拡大を図る戦略も顕著になっている。三菱電機は、産業メカトロニクスの海外売り上げ比率が前年度50・5%であったが、今年度はさらに高める。
オムロンは、全社の新興国売上高を前年度1859億円から今年度2300億円へ大幅に引き上げる。中国、アジア、インド、ロシア・東欧、中南米はすべて20%以上の伸びを見込んでいる。
富士電機は、パワエレ機器事業の今年度海外売り上げを前年度13・5%増の546億円としている。中国・アジアでのシェア拡大へタイに新工場を建設、また、エンジニアリングの拠点を37拠点まで増やす方針。
パナソニックデバイスSUNXは、海外売上〓を前年度比10・7%増の139億円、比率も1・3ポイント増加の34・8%を目指す計画だ。
各社とも中国・アジアの自動化、ローコストオートメーションニーズが拡大すると見て、営業強化、チャネル拡大、現地国仕様の新製品を投入する。また、ブラジルなど中南米の市場開拓も進める計画。