建機など一部大手企業で国内生産品目の見直しに入っている。生産設備の新規導入促進へ政府も補助金制度の拡充で後押しを始めており、FA業界も徐々に受注が上向くと予測されている。日本は、設備更新投資が大企業から中小企業へ波及するには時間差があるので、FA制御業界が回復を実感できるのは夏ごろからと見られる。▼
国内の設備投資は1991年ごろまで右肩上がりで増えてきた。70兆円近くまで拡大したが、その後10年間は下がり続け、再び上昇に転じたものの、リーマンショック後、再下降している。ピーク時の半減で蛇行している。現有設備は古いままである。そのため、設備年齢は13年を超えた。1人当たりの生産性は伸び悩んでいる。▼
新興国は生産性がどんどん向上している。生産設備の新規導入にも意欲的で、FAの市場性も高まってきている。日系企業の海外直接投資額も、96年の2・5兆円から2008年には13・2兆円へ急増している。これを指して「成熟した債権国化の段階」というそうだが、国内のFA市場の復活を求める視点からは割り切れない面がある。▼
政府の設備投資促進の取り組みは先端的な新規設備導入が主な対象である。しかし、現有の老朽生産設備のリニューアルも補助対象にすれば、設備投資が広く盛り上がる。中古設備でも仕様・スペックなど性能を向上させられるのだから、適用を願いたい。中古住宅の耐震対策に補助金を付けてリニューアル市場を活性化させた例がある。