ニチコンの関連会社で、圧力センサ・計測システムメーカーの日本リニアックス(大阪市北区菅原町3―2、TEL06―6362―6470、沢村幹雄社長)は、薄膜ストレインゲージ式で、業界最小クラスの小型高感度アンプ内蔵型の3軸力覚センサ=写真=を開発した。現在サンプル対応をしており、今年5月から量産を開始する。年内200台、来年500台の販売を目指す。
産業用ロボットは、微細な力制御が必要で、同制御に力覚センサが用いられる。同社は、07年から超小型薄膜ストレインゲージ式の6軸力覚センサを販売し好評を得ている。今回、使い勝手が良く低コストの力覚センサの開発に成功した。
同センサは、金属ダイアフラムの上に、温度係数がゼロに近い特殊歪み抵抗膜をパターン形成。これにより温度変化に強く、純粋に力変化だけを測定することが可能となった。さらに起歪体と一体化した絶縁物を介在しダイレクトに力変化を測定するので、極めて高感度、低ノイズで精度・信頼性の高い計測が可能。
取り付けアダプタなしでW20×D20×H18ミリと業界最小クラスながら、アンプを内蔵。アンプ基板の取り付けスペースが不要で、センサ出力を直接A/D変換器に接続することができる。応答周波数は5kHz。実装により生じる3軸の基準信号のズレをリセットする機能を内蔵するほか、独自の薄膜技術により広範囲の温度に適用が可能。
今回、XY軸・Z軸の違う2種類の定格をラインアップ。小型・軽量、低コストなので、多彩な用途に利用が可能。
同社では精密加工用ロボットハンドや、微小テンションコントローラなど産業用ロボットの力制御や触覚測定、ジョイスティック、テンション測定、小型精密医療機器などへ販売を行っていく。