三菱電機は、産業用TFT液晶モジュール「DIAFINE(ダイアファイン)」に、タッチパネルと高品位グラフィックスの表示を簡単に実現するグラフィックスボードをセットにした「インテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール」のサンプル提供を7月1日から開始する。まず7インチサイズの「AM070M01」をサンプル価格12万円で開始し、14年第1四半期に量産化するとともに、14年第2四半期には10・6型ワイドや12・1型のサンプル出荷も始める。これらの製品投入などにより、同社の液晶モジュールの売り上げを2012年度の330億円から、13年度には約21%増の400億円を目指す。
サンプル販売を始めるのは、少量でも簡単に液晶表示モジュールを採用したいという産業用途でのニーズに応えたもので、今まで提供してきた液晶モジュールに加え、タッチパネル、グラフィックスボードをセットにして提供することで、これだけでタッチパネル操作が簡単に実現できることになり、ユーザーの利便性が大幅に向上する。
画面作成も、デザイン画面と産業用機器からの入力情報の紐付けにGUIデザイナーを利用することで簡単に組み込むことが可能で、画像描画スピードも同社独自のアルゴリズム「Sesamicro(セサミクロ)」により、毎秒60フレームの高速を実現している。同時に、高負荷なソフトウェア開発が不要となり、ユーザーの機器開発費用が約50%と大幅削減が可能になる。
タッチパネルの検出方式は投影型静電容量方式(PCAP)を採用しており、手袋装着や水滴付着下でも操作でき、ピンチイン・アウトなど指による直感的操作が可能。
さらに、産業用途でも求められる長寿命(約10万時間)と長期安定供給、広い使用周囲温度(〓40℃~〓85℃)、屋外・直射日光下で超高輝度・超高視野角などを実現している。
同社ではこれらの特徴を生かし、FA機器や車、船舶、鉄道車両、産業用メーターなど産業用途向けに拡販していく。