トップランナー制度対象の6kV配電用変圧器は、今月20日にJIS改正され、来年4月から現在よりもさらに12・5%のエネルギー消費改善の新基準が適用される。配電用変圧器各社は新トップランナー対応の製品を開発、今冬には量産体制を整える方針である。日本電機工業会でも新省エネマークの貼付を推奨し普及を支援する。
配電用変圧器は6600Vなどの配電電圧を100V、200V、400Vなどに降圧するため、工場や商業ビルの受変電設備に使用されている。省エネ効果が大きく、2003年にトップランナー制度の対象機器となり、変圧器各社は06年度に油入変圧器、07年度にモールド変圧器でエネルギー消費効率を32・8%改善することが義務付けられた。
その後、12年4月には省エネ効果をさらに125%改善するため、14年4月を目標年度とする新判断基準(第2次判断基準)が示されていた。
今回のJIS改正は、第2次判断基準及びIEC規格との整合化を図るためである。
主な改正点は次の通り。
(1)エネルギー消費効率=第2次判断基準に合わせて見直したほか、定格容量に等しい出力(負荷率100%)における効率値も反映(2)油入変圧器の巻線の温度上昇限度を55Kから65Kにし、IEC規格との整合化を図る(3)油入変圧器の排油装置及び温度計の標準付属の拡大(4)油入変圧器、モールド変圧器の繰り返し耐電圧試験をIEC規格に準拠(5)モールド変圧器の部分放電試験をIEC規格に準拠などである。