端子台、コネクタ、配線ケーブルなどの配線接続機器は、電気機器の入出力を陰からサポートしている。市場規模は日本電気制御機器工業会(NECA)の出荷統計では2012年度(12年4月~13年3月)では約600億円で、これに会員外の生産も加えると5500億円前後と推定される。主力のFA分野が堅調に推移しているほか、エネルギー関連や社会インフラ関連、さらに鉄道や船舶などの分野で屋外用の配線接続機器・配線資材が伸長している。配線作業の効率化や省力化、安全性向上、接続信頼性の向上などをポイントにした開発が進む。スプリング式端子台の高容量タイプやアルミニウム合金を採用した端子台も開発されるなど、技術革新も著しい。配線接続機器の市場は、NECAの制御専用機器の出荷統計から推定すると、12年度は前年度比横ばいの約600億円と見られる。NECAの統計にはコネクタの大手メーカーが加入していないことから、実際の市場規模はこの約9倍の5500億円前後と推定される。
ここ数年、設備投資が停滞していた半導体製造装置分野で具体的な商談が出始めており、7月以降の本格的な立ち上がりに期待が高まっている。日本半導体製造装置協会の予測でも、13年度は後半から成長局面に入ると予測、14年度には20・0%増加すると予測している。
自動車関連分野も、円安効果もあり、輸出を中心に堅調な拡大が続いている。
伸長著しいエネルギー分野では、建設が進む太陽光発電分野や風力発電分野における需要増、さらに産業分野、民生分野問わず「省エネ・蓄エネ・創エネ」を目指したエネルギーマネジメントシステム分野で新しい市場を形成している。
スマートシティ構想から発展し、狭い地域での電力の自給自足や分散型電源などによるマイクログリッド構想や、電力をはじめとする社会インフラ整備に伴う需要も、配線接続機器市場にとって大きな市場形成につながることが期待されている。
最近、耐候性に優れたエンジニアプラスチックや、ステンレススチールを素材とする屋外用配線資材が、工事現場や鉄道分野、船舶・航空機分野で採用が進んでおり、こうしたところも新しい市場として注目されている。
円安の進展で、原材料となるナフサの上昇などの影響が懸念されるが、今のところ大きな動きにはなっていない。