IDECは、2013年度からの中期3カ年計画で、15年度の売上高400億円と営業利益率15%を目指す。既存事業の強化、新規事業の拡大、強固な収益基盤の確立を重点に取り組み、既存事業で320億円、新規事業で80億円を売り上げる。舩木俊之会長兼社長が明らかにした。既存事業の強化では、操作用スイッチ、制御用リレー、サーキットプロテクタ、安全対策機器、コントローラ、プログラマブル表示器、防爆機器、LED照明などの基盤製品で収益性向上に取り組み、成長する海外市場での戦略強化を進める。
国内トップシェアを有する制御用操作スイッチは、蓄積した技術力をベースに、新たな用途展開も含めた顧客ニーズへの的確なソリューション提供を行うことで、15年度の国内シェア50%強、グローバルシェア10%とさらなる拡大を図る。
LED事業は、新工法による一貫生産により、発光効率のさらなる向上などでLEDデバイスの競争力を強化。工場用、機械装置用、店舗用など、同社のLED技術の特徴が生かせる分野でシェアアップに取り組む。
一方、海外展開はすでに今年2月から本格生産を開始しているタイで、現地マーケティング機能を強化し、現地調達、現地生産によるコストメリットを生かす。今後、端子台、スイッチ、機器製品など生産品目を順次広げ、市場が拡大するインドや東南アジア市場に対応していく。成長著しいブラジルなど南米市場でも、販売代理店を設置して市場への浸透を図り、将来的には自社の販売拠点も設置する方針。
同社の現在の海外売り上げ比率は35%であるが、中国(蘇州)とタイの強化で、15年度には40%強に引き上げる。
新規事業では、環境・エネルギー分野を中心に展開を図る。特に新規事業の中心である産業用太陽光発電事業については、環境関連事業を推進するため、社名変更と事業体制の見直しを行った子会社の「IDECシステムズ&コントロールズ」(米田稔社長)を中心に、システムから施工までをワンストップで提供して行く。太陽光発電事業では、今期30億円の売り上げを確実視している。
また、IDECのソーラースマート事業部では、制御技術を生かした家庭用電力マネジメントシステムの開発・サービス提供を行うなど、IDECグループとして家庭から産業分野まで幅広い事業展開を行う。
GALF(微細気泡生成技術)を活用した事業は、独自の工法により高い利益率を示す汚染土壌浄化事業を始めとした様々なアプリケーションへの事業展開を進める。
さらに、市場が拡大している自動認識機器市場に積極参入するため、新たに設置した「Auto―ID事業部」では、開発・製造・販売の体制を整備し、15年度20億円の売り上げを目指す。
そのほか、農業のオートメーション化事業の立ち上げなど、社会的なニーズに対応する各事業の強化を図る。
営業利益率15%達成に向けては、製品の統廃合や部品点数の削減、設計変更などによるコストダウンのほか、生産性の向上、新規事業を中心にして利益率を高め、営業利益の増加に繋げていく。